2012-05-01から1ヶ月間の記事一覧

格付けがまた下がった世界最大の債権国

財務省が22日に発表した2011年末の対外資産負債残高によると、日本の企業、政府、個人が海外に保有する資産から負債を差し引いた「対外純資産残高」は11年末に253兆円となり、21年連続で世界最大の債権国となった。GDP比では54%だった。第2位は中国で138兆円…

日本円以外のアジア通貨が総下落

アジアでは、リスク回避志向が強まっている投機的資金の流出で、円を除くアジア通貨が下落基調にある。ウォン安に慌てた韓国中央銀行は先々週末以降、断続的に介入しているが下落は止まらない。当局の管理通貨の様相の強い中国人民元まで下げ始めた。欧州問…

ルネサス再建はハードル高し(後編)

(前編から続く) リストラ対象となっている携帯電話用半導体子会社ルネサスモバイルも前途多難が予想される。産業革新機構が仕掛け役となって交渉を進めている富士通、パナソニックとのシステムLSI事業の統合でつくる新会社にルネサスモバイルの社員を一部移…

ルネサス再建はハードル高し(前編)

赤字体質からの脱却を目指す半導体大手ルネサスエレクトロニクスが全従業員の約3割に相当する1万2000人以上を削減する方針を固めた。不採算の工場売却や拠点の統廃合も検討し、リストラ費用を捻出するため1000億円超の資本増強を計画する。だが、主要取引銀…

JPモルガン損失の余波

米JPモルガンの巨額損失事件は、銀行業界の規制強化を訴える金融規制改革派の政治家に、少なくとも20億ドル分の論拠を与えた。共和党政治家は、有力な大統領選候補者のロムニー前マサチューセッツ州知事をはじめとして、米金融規制改革法(ドッド・フランク法…

アジア国債の魅力が増加

欧州と中国における懸念の高まりは、アジアの債券にとって追い風となりそうだ。経済規模の大きい国々が苦境に陥る一方、アジア各国の財政は強固で、そのソブリン債は資金の逃避先となっている。無差別の売りはどの国にも及ぶだろうが、インドネシア、日本、…

アウトレットの威力

あのガラガラだったアクアライン(東京湾横断道路)に車が並んだ。トンネルの中に続くテールライトに、アウトレットの威力をまざまざと見せつけられた。 千葉県木更津市に4月にできた「三井アウトレットパーク木更津」は連日大賑わい。大型店の撤退に商店街の…

ギリシャのユーロ離脱なら、リーマン・ショック時に逆戻り

「持ち直しに向かう動きが明確になりつつある」。日銀の白川方明総裁は23日の金融政策決定会合後の会見で、日本経済の現状をこう分析。先行きも、東日本大震災の復興需要の高まりや新興国経済に牽引され、12年度前半に「緩やかな回復経路に復す」という従来…

LNG価格が急騰中

発電用燃料の主力、液化天然ガス(LNG)価格が急上昇している。日本向けスポット価格は3カ月で2割強上昇し、東日本大震災後の高値を更新した。日本の原子力発電所の再稼働が見通せないなか、海外のLNG生産設備で事故などが相次いだ影響が出た。LNGの値上がりは…

錬金術のATMに群がる人々と銀行の対応

英国のある街で先日、銀行のATMが引き出し希望額の「倍を払い出す」不具合を起こしたまま作動し続け、周辺住民が殺到する騒ぎが起きた。知らせを受けて駆けつけた警察は、Twitterなども使いながら間違って出されたお金の返金を呼び掛けたが、被害を受けた銀…

ギリシャがユーロを離脱すると東欧が変わる

嵐の中で鉢合わせした船のように、ギリシャが欧州の中心部から最も遠い岸に全速力で向かう一方で、一部のバルカン諸国は正反対に舵を切っている。ギリシャによるユーロ圏離脱は、まだ決まったわけではない。しかし欧州連合(EU)では、企業も金融当局も官僚も…

フェイスブックの一番長い日

交流サイト(SNS)最大手の米フェイスブックが18日、米ナスダック市場に株式を上場した。初値の42.05ドルをもとに算出した時価総額は約1150億ドル(約9兆1000億円)。投資家や社員にとって待ちに待った日がついにやってきた。この「ビッグデー」を同社はどのよう…

株は「売り」こそが肝心

得てして初心者は、トレードの仕掛け方や、値上がりしそうな株の買い方ばかりに注目する。ありもしない百発百中の「聖杯」を手にして、いきなり大儲けしようという、儚い夢をみがちだ。しかし、買いや仕掛けはトレードというゲームの、ほんの一部にすぎない…

片道1円でも売れ残ってしまったLCC

今年は国内航空線に相次ぎLCC(格安航空会社)が参入するLCC元年だ。このLCCが得意としているのが、格安料金をさらに下げる各種キャンペーン。そして、ついにゲリラ的に「1円路線」が登場した。これは、7月3日に就航を開始するジェットスター・ジャパンが、日…

ミャンマー市場争奪戦の号砲

ミャンマーをめぐる国際社会の動きがあわただしくなってきた。先進国による支援の先陣を切る形で、日本が25年ぶりの円借款再開を表明。欧州連合(EU)も90年代から続く経済制裁の停止を決めた。民主化改革の報酬である開発マネーの解禁は、先進国にとって有望…

ヘッジからギャンブルに変わってしまったJPモルガン・チェース

米銀JPモルガン・チェースのチーフ・インベストメント・オフィス(CIO)でクレジットトレーディング責任者だったデービッド・オルソン氏は、かつて米海軍の原子力潜水艦の操縦士としてリスクについて学んだ。06年に同氏がJPモルガンに加わった時の司令官、ジェ…

2期連続で過去最高益も先行きは五里霧中のJAL

経営再建中の日本航空が14日発表した12年3月期連結決算は、本業の儲けを示す営業利益が2049億円となった。11年3月期の営業利益1884億円を上回り、2期連続で過去最高を更新し、今秋の再上場に弾みをつけた。ただ、会社更生法をテコにしたリストラ効果は少しず…

エコな通勤定期券が続々登場

自宅の最寄り駅と職場の往復に利用する通勤定期券。地球にやさしいエコな暮らしが提唱される昨今、そんな世の流れに応えるかのように、最近ではエコを目的とした定期券も増えている。福島交通は昨秋から、会社が一括購入をすると割引特典が受けられる「グリ…

中国の安い人件費の時代の終焉

米アップルは「iPhone(アイフォーン)」や「iPad(アイパッド)」の生産を委託する富士康科技集団(フォックスコン・テクノロジー・グループ)との間で、労働環境の改善に取り組むことで合意。このことは、中国がもはや「世界で最も安価な生産拠点」でなくなりつ…

6月再選挙の可能性高まるギリシャ

政局の混乱が続くギリシャで、組閣要請を受けていた緊縮財政を支持する第3党、全ギリシャ社会主義運動(PASOK)のベニゼロス党首は12日、パプリアス大統領に組閣の断念を報告した。大統領は近く全政党の代表を集めて挙国一致内閣の設立に向けて最後の説得を試…

東京電力一時国有化に対する見方

公的資金注入を柱とする東京電力の「総合特別事業計画(総合計画)」が認定されたことで、再建計画が動き始めた。政府による実質国有化で経営破綻という最悪のシナリオは回避されたことにより、クレジット市場参加者からは、信用力が強化されたとして評価する…

グリー&DeNAを突如襲った嵐

携帯電話向けソーシャルゲームで急成長したグリーやディー・エヌ・エー(DeNA)が大ピンチだ。収益の柱とされる「コンプリートガチャ(コンプガチャ)」というサービスが違法となる可能性が高まっており、禁止されれば「経営危機に陥りかねない」と指摘する専門…

関電の電力不足見通しは水増し

いよいよ夏に向けて電力需給逼迫が懸念されるなか、5月4日「大阪府市エネルギー戦略会議(第8回)」が開催された。4月10日に開かれた第6回の会議で関西電力が4月末までに提出すると約束した「原発再稼働なしで、今夏の電力需給逼迫を乗り切る計画」が聞けるは…

「ユーロより雇用」を選択した仏国民

「ユーロより雇用」これがフランス選挙民の今回の選択である。地域共同通貨ユーロ導入は、域内の労働移動性を高め、雇用を促進するはずであった。しかし、主権も文化も異なる国の労働者は故郷去り難しの念強く、域内各国の失業率は大幅に乖離した。さらに、…

コンテナ船運賃の回復

海運各社の業績回復の決め手となる、コンテナ船運賃の修復が着実に進んでいる。3月初めの欧州航路での一斉値上げに続き、同月中旬に実施された北米向け運賃改定の出足も順調のようだ。厳しい事業環境の中で世界のほぼ全船社が大幅赤字に落ち込んだコンテナ船…

再生オリンパス、船出早々の波浪

損失隠しによる粉飾決算事件を起こしたオリンパスが12年4月20日、臨時株主総会を開き、笹宏行社長ら11人の新たな取締役からなる経営体制が正式発足した。ようやく再建に向けた体制が整ったが、新経営陣は信頼回復に加え、低下した自己資本比率の回復などの課…

4月雇用統計の要旨

4月の米雇用統計が労働市場の減速を示すなか、市場では11年と同様、年初以降に加速した雇用の伸びが夏場にかけて失速するパターンが今年も繰り返されるのではとの見方も出ている。非農業部門雇用者数は前月比115,000人増にとどまり、予想の170,000人増を大幅…

経常収支ネタは所得収支もみるべき

12年1月の貿易赤字が過去最大の1兆3816億円に。こぞって報道したメディアからは「日本の“稼ぐ力"が弱くなった」と悲観的な論調が目についた。貿易がダメだと日本は稼げない、と言わんばかりだった。 確かに日本は貿易で稼ぐ国、と子どもの頃から教えられてき…

バカ売れしているトクホのコーラ

世の中、こんなにバカ売れする食品があるのか、というくらい、キリンビバレッジが発売した「メッツ コーラ」が売れに売れている。食事の際に中性脂肪の吸収を抑え、上昇を緩やかにするとされる食物繊維「難消化性デキストリン」を配合した。その結果、特定保…

5月相場の傾向と対策

【例年の傾向】 連休の谷間は比較的相場が強いが、その後はヘッジファンドの決算期末やファンド解約の「45日ルール」を意識して、株価は下落しやすい。 しかし、それは日本市場に魅力があり、買い要因が多いことから起こる反対現象でもある。 もし、前半に下…