2012-02-01から1ヶ月間の記事一覧

それでもギリシャ国債は事実上のでデフォルト

ギリシャ危機に対する第2次支援策について、欧州連合(EU)のユーロ圏17カ国が原則合意した。約1カ月後に期限が迫る国債の大量償還に何とか見通しが立ち、ギリシャのデフォルトが回避されたと報じられている。一時は協議が迷走し緊張も走ったが、ひと息ついた…

今回も目立った成果のないG20

メキシコで開かれていた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は26日、欧州債務危機の収束と波及防止に向け、ユーロ圏の金融安全網の拡充を求めるとともに、それを前提に国際通貨基金(IMF)の資金基盤の増強を4月会合で具体的に協議することを確認する声…

パチンコ業界にようやく薄日

パチンコホールが底打ちから回復基調をみせている。ホールに関しては、メーカーからの相次ぐ新機種の登場で、設備投資ができない中小が倒産や廃業に追い込まれ淘汰が進んできた。そこに追い打ちをかけるように、震災に伴う原発事故で節電など自粛の動きが経…

強まるドイツへの風当たり(後編)

(前編より続く) 巨額の資金でユーロの防火壁を作れば最終的にドイツの負担も軽くなるという議論もあるが、当然ながらドイツ人はかなり懐疑的だ。メルケル首相のアドバイザーの1人は次のように指摘している。「南欧諸国がこの資金を欲しがっているのは、市…

強まるドイツへの風当たり(前編)

最近、ドイツの外務省にとって、欧州各地の報道のチェックは気持ちのいい作業ではない。「ちょっと見てください。これは、とても容認できない」。ある外交官はそう嘆きながら、イタリア紙の1面に載った記事を指さした。ユーロ危機とアウシュビッツを結びつけ…

デフレが続く限り金利上昇はない

世界最大の債券ファンド運用会社、パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)で日本の債券運用を統括する正直知哉マネージングディレクターは23日、ロイターのインタビューに対し、デフレが続く限り日本の金利は上昇しにくいとの見方を示している…

アイスランドがV字回復

欧州債務危機で単一通貨ユーロ圏の国債格下げが相次ぐ中、2008年の世界金融危機で金融システムが完全に崩壊した人口32万の島国アイスランドの格付けが「投資適格」に引き上げられるなど回復が顕著になってきた。民間銀行の海外債務を政府が肩代わりせずに大…

EU圏内も格差社会へ

EU統計局が発表したユーロ圏の昨年第4四半期GDP速報値は、0.3%のマイナス成長となった。マイナスに落ち込んだのは09年第2四半期以来で、債務危機の影響が拡大しているとの見方もできるが、喧伝されている危機の深刻さの割には、底堅い印象も受ける。マイナス…

錦織圭とソニー(後編)

(前編より続く) 05年春、「日経ビズテック」というムックにおいて、「勝手に考えるソニー再生計画」と題する特集が組まれたことがある。当時、やはりソニーは既に業績不振に陥っていた。最大の理由は今と同じ、ヒット商品の不在に伴う主力のエレクトロニクス…

錦織圭とソニー(前編)

ソニーと錦織圭──。前者は、4期連続の最終赤字に陥るという苦境の最中にある下降株、一方で後者は、この1月に行われたテニス4大大会の1つ、全豪オープンで日本人プロテニスプレーヤーとしては初めてベスト8に進出した上昇株である。明暗がくっきりと分かれて…

合併で様変わりしそうな東証の株主たち

大阪証券取引所との経営統合をきっかけに、東京証券取引所の株式が大きく動き出しそう。非上場の東証株を現在保有しているのは100社余りの証券会社。大半を占める中小証券は株のネット取引や高速売買の浸透で生き残りが難しくなっている。13年1月の統合で上…

国内投資だって為替水準がモノをいう

東日本大震災からもうすぐ1年たつというのに、力強い復興・再生の足音が聞こえない。昨年第4四半期のマイナス成長はタイの洪水が主因だと政府は言うが、肝心の民間設備投資が低迷したままだ。統計データを突き合わせてみれば一目瞭然なのだが、円高とともに…

ありうる日本国債急落シナリオ

三菱東京UFJ銀行が日本国債の価格急落に備えた「危機管理計画」を作ったとして、2月2日付朝日新聞1面に「数年後の国債急落を想定、三菱UFJ銀が危機シナリオ」の見出しで掲載されたことがある。それによると、同計画は昨年末にまとまり、日本の経済成長や経常…

外為特会は事業仕分けすべし

為替介入の結果は、四半期ごとに「外国為替平衡操作の実施状況」として財務省から公表されている。直近のものは2月7日、昨年10月~12月期のものが発表された。それによると、10月31日に8兆722億円、11月1日に2826億円、2日に2279億円、3日に2028億円、4日に30…

株vs.債券論争

バークシャー・ハサウェイのバフェット会長は、フォーチュン誌に掲載された株主宛年次書簡の翻案版で、低金利とインフレ懸念のため、債券や通貨に依拠するMMF、モーゲージ、銀行預金等は、もっとも危険な資産になっているとの見解を表明。こうした資産への投…

拡大を続けるソーシャルゲーム市場

日本でソーシャルゲーム市場が拡大を続けている。ソーシャルゲームとは、SNS(交流サイト)上で提供されるオンラインゲームのことで、SNSの会員がゲームを介してコミュニケーションが取れることが特徴だ。また、基本的な利用料は無料で、利用時間の短いライト…

決算ショックの嵐(後編)

(前編から続く) 最もレシオのマイナス幅が大きい「ネガティブ・サプライズ企業」は東北電力だ。今期、初めて公表した最終損益の見通しは2500億円の赤字。同社の管轄するエリアは大震災の影響が最も大きかった地域とあって、被災した火力発電所や水力発電所の…

決算ショックの嵐(前編)

東日本大震災からあと1カ月で1年になる。未曾有の混乱で下振れした日本の景気は目先、復興需要による回復期待が根強い。だが、超円高や欧州・新興国の景気減速で落ち込む外需を補うには及ばず、今年前半の持ち直しは不透明だ。内閣府は来週13日、11年10-12月…

増資空売りインサイダー取引包囲網(後編)

(前編から続く) 金融庁が新たに証券界に提案してきたのは、発行企業に対する「ブック」の開示だ。ブックとは何か。これは引受業界の専門用語で、新株を投資家に配分する際に具体的にどの投資家からどれくらいの株の購入申し込みを受けたのかという投資家の実…

増資空売りインサイダー取引包囲網(前編)

約3カ月ぶりの日経平均株価9,000円の大台回復。個人的にはこのタイミングでの大台回復はあまりうれしい話ではないのだが、今年に入って兜町のベテラン証券マンからは「年末年始を境にマーケットの潮目が変わった」という声を何度か耳にする。とはいっても多…

アリは追い詰めたキリギリスを最後に救う

7日付日本経済新聞朝刊総合面には「ギリシャ 賃金・年金の壁」「国民、削減に反発」「大規模スト計画」そして「独仏、最終決断迫る 支援条件譲歩せず」といった記事が並んでいた。しかし、ギリシャ国民がこれ以上、支援条件、すなわち更なる緊縮を受け入れる…

ユーロの不幸に蜜の味がする国は?

「他人の不幸は蜜の味」とはもともとドイツの諺らしいが、一向におさまりそうにない欧州共通通貨ユーロ危機の結果、ドイツは美味しい蜜にありつけるのだろうか、それとも…。メルケル首相はギリシャに対する、表向きの高圧的な態度とは裏腹に、「ドイツはギリ…

堅調なオセアニア通貨

豪ドルやニュージーランドドルといったオセアニア通貨がこのところ堅調だ。ドル円レートやユーロ円レートを見ているとまったくイメージがわかないところだが、豪ドル円は82円台半ばと昨年10月末以来の高値をつけており、11月下旬に付けた直近安値からはもう8…

これから儲けるのは非製造業

上場企業の業績が減速している。円高やタイの洪水、欧州危機が輸出産業の利益を圧迫し、12年3月期の連結経常利益は前期比21%減となる見通しだ。ただ、通信や消費関連など内需型企業の業績は底堅く、資源高を追い風に商社は最高益が相次ぐ。日本企業の「稼ぎ…

どんぶり勘定の電気料金制度にメス

家庭向けの電気料金制度見直しに関する政府の有識者会議は3日、料金の原価に算入できる電力会社の人件費に上限を設けることなどを柱にした報告書案を提示した。原子力発電所の稼働停止で採算が悪化している電力会社が、安易な値上げに頼らないように、値上げ…

ガリバー野村にも身売り話が

野村ホールディングスが瀬戸際に立たされている。海外部門の赤字が響き、株価も低迷、野村證券のプロパー社員からも「身売りを覚悟している」との声が漏れてくる。M&A(企業の合併・買収)の仲介業務でならし、みずからもリーマン・ブラザーズの部門買収に踏み…

FRBのインフレターゲット導入で孤立する日銀

1月25日、ついにFRB(米連邦準備制度理事会)が2%のインフレ目標(インフレターゲット)を導入した。個人消費支出(PCE)価格指数で2%を長期的な目標とするとした。これは歴史に残る大方針である。インフレ目標は金融政策の枠組みとして広く世界各国で導入されてい…

ドコモ、スマホの憂鬱

NTTドコモは26日、25日に発生した携帯電話の通信障害の原因について、通信料が新設した設備の能力を上回ったためと発表した。真犯人は無料通話アプリで、VoIPと呼ばれるデータの仕組みで通話を実現しており、通信量がほかのスマホアプリに比べて格段に大きい…