「平清盛」ブームに乗って屋島の再興を図れるか

NHKの連続テレビ小説大河ドラマにおける舞台となる土地には注目が集まることが多い。今年も大河ドラマ平清盛」で平家物語の舞台に注目が集まるなか、源平合戦の地として知られる国の史跡・天然記念物「屋島」(高松市)の再興に向けた機運が高まっている。観光低迷で山上の旅館や土産店の廃業が相次ぐことから、官民が一体となって打開に取り組んでおり、「平清盛」で屋島の活性化に弾みがつきそうだ。

屋島は標高292mの小高い山(正確には台地)であり、山上には鑑真が開創したと伝わる四国第八十四番札所の南面山屋島寺がある。72年には250万人が訪れる県内最大の観光地だったが、近年は約60万人にまで減少。山上の旅館や土産店は廃業が相次ぎ、04年には屋島ケーブルが営業廃止となるなど、一時の勢いは影を潜めている。
事態打開のため昨年、市の呼びかけで有識者や市民らでつくる「屋島会議」が発足。文化庁もオブザーバーとして参加し文化財保護と両立した観光振興策を検討している。メンバーで市民団体「元気YASHIMAを創ろう会」の小川加代子副会長は「会議でまとめる構想を実効性のあるものにしたい」と意欲満々だ。
アジア太平洋盆栽水石大会が市内で開催された昨年11月には、外国人観光客らが訪れる機会を活用して、市と屋島山上観光協会が平家物語の琵琶演奏などのイベントを繰り広げた。

一方で西日本の5運輸局が中心となって平清盛ゆかりの地を相互に盛り上げる観光振興事業も行われている。大西秀人市長は「屋島平家物語でも中心となる舞台。こうした事業にも積極的に参加し、どんどんPRしたい」と力を込める。