ユーロ圏の銀行間貸し渋りが一層鮮明に

欧州中央銀行(ECB)が発表したデータによると、4日時点の翌日物預金残高は4531億8100万ユーロとなり、先週記録した過去最高の4462億6200万ユーロを更新した。4531億8100万ユーロという数字は、ECBの銀行への貸し出し総額の65%に相当する巨額である。

ECBの翌日物預金の金利は現在0.25%で、インターバンクの無担保翌日物金利の0.396%を大幅に下回っている。ECBの翌日物預金金利がインターバンクの無担保翌日物金利より低くても、そちらに預けるということは、上記の数字は銀行間の貸し渋りが続いていることを示している。

金融機関は潤沢な資金を抱えているにもかかわらず、流動性が低いということは大きな問題であるのだが、それだけユーロ圏の債務危機に対する警戒感が根強いということの裏返しでもある。ECBは先月、金融機関の資金調達支援に向け初の期間3年物オペを実施し4890億ユーロを供給したが、なかなか効果は出てきていない。
なお、ECBのデータによると、翌日物貸出も150億1200万ユーロと高止まりしている。