開かれたFRBへ、あの手この手

米連邦準備制度理事会(FRB)が「開かれた中央銀行」を目指し、あの手この手で情報発信に努めている。記者会見に続き、なんとツイッターまで始め、20日にはワシントンの大学でバーナンキ議長が特別講義を開講。お堅いイメージの払拭に懸命だ。

「景気回復の途上で、金融政策を(引き締めへ)急転させてはいけないね」
30年代の大恐慌の教訓を問われ、思わず真顔になった。学生の目が輝く。ジョージ・ワシントン大の「FRBと金融危機」と題した4回連続の講義。FRBの現職議長が大学で単位が取得できる講座を受け持つのは初めてで、インターネットで放送もされた。大学教授が前職の議長は「学生と話すのは楽しい」と笑顔を見せた。
FRBは「中央銀行の透明性を高める」という議長の方針のもと、情報発信の改革に取り組んでおり、議長の出前講義も若者にFRBや金融政策に関心を持ってもらう試みの一環だ。

FRBは14日から公式ツイッターも始めた。バーナンキ議長の最初のつぶやきはFRBの組織説明と、まだまだ硬さも目立つが、ソーシャルメディアを活用し、「FRBの関連ニュースへのアクセスを増やすことが目標」という。定例記者会見を先駆けて導入した日銀や欧州中央銀行(ECB)を見習い、議長の定例会見も昨年から始めた。
議長は当初、「発言を誤解されたくない」と葛藤も口にしていたが、「国民はFRBのことをもっと知るべき」と前に踏み出した。市場関係者には好評だが、金融政策の転換期でも変わらぬ姿勢を貫けるかで改革の真価が問われそうだ。