エコノミスト前編集長が半年以内にギリシャデフォルトを予測

日本のバブル崩壊を予測、その後も日本をウオッチする英誌エコノミスト前編集長、ビル・エモット氏が、産經新聞とのインタビューで「今年3月にもギリシャは欧州単一通貨ユーロ圏離脱に追い込まれる」と大胆に予測している。

今年中にギリシャがデフォルトする可能性については、「ギリシャは今後6カ月以内にデフォルトに追い込まれ、ユーロ圏を離脱しなければならなくなる。他の重債務国に危機が広がるのを防ぐため、同時にドイツがユーロ共同債導入に応じるだろう」と小生に近い考えをお持ちである。
その時期については、「問題は4-5月の仏大統領選で再選を目指すサルコジ大統領への影響だ。危機を抱えたまま選挙を迎えるのか、その前に抜本的な対策をとるのか。大統領の思惑を考えると3月に起きてもおかしくない」とみており、かなり早い時期の崩壊もあるとみているようだ。

また、イタリアについて、日本と同じように政府債務が膨らんでいることについては、「イタリアでは戦後、キリスト教民主党による事実上の一党支配、日本でも自民党支配が続き、有権者は政権を選択できなかった。有権者は票の見返りとして政治家に橋や道路、鉄道、空港の建設を求めた」とその背景も似ていると言及している。
また、新首相モンティ氏について、「英国のサッチャー元首相は改革に5-6年を要した。モンティ氏には1年しか与えられていない。自由化を進め、政府債務を減らせれば経済が復活する可能性はあるが、非常に難しい。ギリシャ問題が資金調達費用を押し上げている」と、経済学者出身のモンティ氏をしても、イタリアの復活の厳しさを予測する。

最後に、日本の野田政権も消費税増税を掲げて財政再建に取り組んでいるが…と記者が振ると、「モンティ首相のように消費税増税とともに経済成長を実現させる経済自由化の両面作戦が必要だ。成長戦略を欠いたままでは収支黒字化に失敗するだろう」とまあ、こちらも小生の考えに近いが、小生はあくまで消費税増税は景気が回復してからで十分だと考えており、両面作戦は成り立たないと思っているところは異なるようだ。