堅調なオセアニア通貨

豪ドルやニュージーランドドルといったオセアニア通貨がこのところ堅調だ。
ドル円レートやユーロ円レートを見ているとまったくイメージがわかないところだが、豪ドル円は82円台半ばと昨年10月末以来の高値をつけており、11月下旬に付けた直近安値からはもう8円ほど豪ドル高円安に振れている。ニュージーランド円もローソク足の実体ベースでは昨年10月末の高値を突破しており、こちらも11月下旬に付けた直近安値からは7円近く円安に振れている。もっと顕著な例では、対ユーロでみると豪ドルもNZドルも最高値付近での取引が続いている。

オセアニア通貨はリスクに敏感な通貨として知られ、先進諸国だけでなく、中国経済との関係が密接なことから、世界景気動向を反映した動きを示すとされている。特に、世界的に株式が上昇する局面では豪ドルなどの買い圧力が強まる。
もちろん、高金利通貨としても有名であることはいうまでもなく、リーマンショック以降、いち早く利上げを実施したのがオーストラリアだった。
現在の政策金利は昨年11、12月の連続利下げで4.25%とやや低下してはいるものの、先進国のなかではずば抜けた高金利水準であることは確か。
ニュージーランドの政策金利のほうは2.50%とやや豪州よりは見劣りするものの、北半球の先進国の金利を見れば、それでも高水準だ。

このところのオセアニア通貨高は、リスク選好で買い、金利差で買い、といった両輪がうまく買い材料となっているようだ。
もちろん、リスク要因は株式市場の下落であるから、この点はしっかりウォッチが必要であるが、この傾向はもう少し続くかもしれない。

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