パチンコ業界にようやく薄日

パチンコホールが底打ちから回復基調をみせている。ホールに関しては、メーカーからの相次ぐ新機種の登場で、設備投資ができない中小が倒産や廃業に追い込まれ淘汰が進んできた。そこに追い打ちをかけるように、震災に伴う原発事故で節電など自粛の動きが経営を直撃、苦しい展開が続いていた。

しかし、ここにきて身近なアミューズメントとして大手チェーンへの集客が回復していると伝えられ、パチンコやパチスロの人気が再び高まる形になっている。
さらに、追い風となりそうなのが4月1日から日本遊技機工業組合(日工組)の内規が緩和されることだ。内規といわれる内部規定が緩和されることで、ゲーム性に富んだ機械の投入が可能になるとみられており、パチンコメーカーにとっては追い風となりそうだ。そこで、今回はパチンコ、パチスロ関連の有望銘柄を探った。

まずは、パチンコ機の製造大手でフィーバー台で成長してきたSANKYO(6417)に注目。今3月期予想に関しては第4四半期に投入を予定していた新タイトルをクオリティアップするため投入を延期、連結営業利益で当初計画の400億円から330億円に下方修正しているが、これは織り込み済み。パチンコ機「ヱヴァンゲリヲン7」の受注は約10万台となっており、来期に期待が高まる。
また、傘下にパチスロ最大手のサミーを保有しているセガサミーホールディングス(6460)も見逃せない。パチスロでは「北斗の拳」、パチンコでは、「蒼天の拳」「龍が如く見参!」がヒットとなっており、今後はパチスロでは、ロデオブランドの「モンスターハンター」、パチンコでは「桃太郎電鉄ひらけ!キングボンビジョンの巻」など期待のタイトルが控えている。

藤商事(6257)も面白そう。大阪地盤のパチンコ、パチスロ機の中堅メーカーで「宇宙戦艦ヤマト」がヒットしている。今3月期通期予想を営業利益で当初計画の20億円から66億円(前期実績5億200万円の赤字)へ増額修正済み。昨年7月投入の「CRリング呪いの7日間」シリーズもヒット、追加受注も舞い込んでいる。
他には、パチンコ周辺機器が稼ぎ頭のマミヤ・オーピー(7991)、貨幣処理、金銭登録機の大手で日本金銭機械(6418)の動きからも目が離せない。最後になったが、忘れちゃいけないのがパチンコ機の大手で直販が8割強を占める平和(6412)、オリンピアを子会社化しパチスロの強化も図っている。