ギリシャの債務交換提案に応じるのは4割

ギリシャの債務交換提案に対して、対象総額の39.3%相当の国債を保有する投資家が参加を表明した。国際金融協会(IIF)が7日、電子メールで発表した。
IIFによると、交換に応じる30社が保有するギリシャ債は合計で810億ユーロ相当。交換提案はアテネ時間8日22時に終了する。

提案の対象は民間投資家が保有する2060億ユーロ相当のギリシャ債。額面の53.5%を減免する交換によって債務危機を収束させることが目的だ。政府はギリシャ法の下で発行された債券については必要ならば集団行動条項を発動して交換を強制する意向を明らかにしている。
アームストロング・インベストメント・マネジャーズのマネジングパートナー、パトリック・アームストロング氏は7日ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「集団行動条項の対象になることは織り込み済みだ」と述べた。3月20日満期債が額面償還される「わずかばかりの」可能性に賭けるため自発的には交換に応じないと説明した。

ギリシャ財務省は6日遅く、同国の6大銀行が提案を受け入れる計画だと明らかにした。6行は9月末時点で交換対象となるギリシャ債、約420億ユーロ相当を保有していた。また、ベニゼロス財務相がこの日リアルFMラジオで明らかにしたところでは、ギリシャの年金基金が持つ約170億ユーロも交換される。
ベニゼロス財務相は今週、債券保有者が交換に応じると予想しているが、必要ならば強制する用意があると述べている。強制的に交換に応じさせた場合はクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の決済を引き起こす公算が大きいとアナリストらはみている。
ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの世界通貨ストラテジー責任者、マーク・チャンドラー氏(ニューヨーク在勤)はリポートで、ギリシャが交換を強制した場合、「スペインやイタリアなどの周辺国への影響が生じる公算が大きい」とし、「金融株への負の影響も出る可能性がある」と指摘した。

交換に応じたIIFの民間債権者・投資家委員会(PCIC)メンバーはエイジアス、アリアンツ、アルファ銀行、アクサ、ラ・バンク・ポスタル、ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア銀行(BBVA)、BNPパリバ、CNPアシュアランス、コメルツ銀行クレディ・アグリコル、クレディ・フォンシエ、デカバンク、ドイツ銀行、デクシア、エンポリキ銀行、EFGユーロバンク・エルガシアス、ゼネラリ保険、グレイロック・キャピタル・マネジメント、グルパマ、HSBCホールディングス、ING銀行、インテーザ・サンパオロ、KBCグループ、マーフィン・ポピュラー銀行、メットライフ、ギリシャ・ナショナル銀行、ピレウス銀行、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)、ソシエテ・ジェネラルウニクレディト

民間債権者を代表してギリシャとの交渉に当たったIIFのダラーラ専務理事は7日の電話インタビューで、「これは真に新しいページをめくり、ギリシャ経済に活力を取り戻させる瞬間だと思う。ユーロ圏全体の安定と信頼感にも寄与すると考えている」と語った。