QE3は実施すべきの声

米シカゴ連銀のエバンス総裁は景気の強さが増している兆候が引き続き見られるものの、金融当局は追加の緩和策を実施すべきだとの考えを明らかにした。

同総裁は16日、フランクフルトで講演。講演原稿によると、「より力強い景気拡大を促進するため追加の金融政策を講じることは可能であり、そうすべきだ」と発言。「かなり楽観的な見通しでも潜在成長率をわずかに上回る程度の成長にすぎない」と語った。
追加緩和推進派の先頭に立つエバンス総裁は、失業率が7%を下回るまで低金利を維持すると金融当局は表明すべきだとの考えをあらためて示した。連邦公開市場委員会(FOMC)は13日の会合で政策金利を維持。「著しい下振れリスク」が残っているとしながらも、労働市場の改善を指摘した。

エバンス総裁はさらに、インフレ期待が近く急速に高まるとの結論を急ぐべきではないと指摘。さもなければ、「抑制の効き過ぎた政策で、米経済を失われた10年あるいはそれ以上の低迷期に陥れる不要なリスクを冒しかねない」と話している。
同総裁はまた、「民主的な社会の責任ある中央銀行として、FOMCは金融政策で何を成し遂げようとしているのか明確に表明する義務がある」と主張。「わたしが提唱する経済的な条件を採用すれば、緩和政策解除の基準は高まり、予想しやすくなる」と語った。

エバンス総裁といえば、11年のFOMC会合で追加緩和を求めて反対票を投じた唯一のメンバー。ただし、今年のFOMCでは議決権を有していない。