携帯電話リサイクル業に投資妙味あり

携帯電話の本格普及が始まって約15年。いまやスマートフォンへの乗り換えも進み、家に使わなくなったケータイがゴロゴロしている人も多いのではないか。その中には貴重な金属が使われており、回収して再資源化する取り組みが急がれている。株式市場でも関連銘柄をチェックしておきたい。

携帯電話などのデジタル家電には、マグネシウム、金、銀、銅、パラジウムなど再資源化できる貴重な金属や素材が数多く使われている。「都市鉱山」と呼ばれるのもこのためだ。
金属だけでなく、精錬過程で発生するスラグは消波ブロックの材料として利用されるほか、プラスチックなどはハンガーなどに再生される。回収率向上は多くの分野でメリットをもたらすことになる。
家庭に2億台以上が眠っているとの試算もあり、資源の少ない日本としてはこれらの活用を考えたいところだが、「あまり回収は進んでいないのが現状」(ITジャーナリスト)だという。

国内では年間3000万台以上の携帯電話端末の出荷が続いているが、買い替えなどで発生する使用済み携帯電話の回収率はここ数年、30%前後と横ばいで推移している。
「携帯電話に保存されたメールや写真を保管しておきたいことなどを理由に買い替えた後も手元に置いておく利用者が多い」(同)。
政府も携帯電話の買い替え時に古い機種を持ち込むと、購入代金を割り引くなどの特典を設ける仕組みづくりを始めてはいるが、まだ本格的な施策とまではいたっていない。
しかし、再生ビジネスの本格化に向けて着々と準備を進めている企業も増えてきた。今のうちから関連銘柄をチェックしておきたいものだ。