第2四半期ユーロ圏GDPは予想通りの減速

欧州連合(EU)統計局が14日発表した第2四半期のユーロ圏域内総生産(GDP)伸び率速報値は前期比マイナス0.2%、前年比マイナス0.4%となった。

市場予想も前期比マイナス0.2%、前年同期比マイナス0.4%だった。

欧州債務危機が深刻化するなか、企業と消費者がともに支出を手控えた。市場関係者の見方は以下の通り。

 

ABNアムロのエコノミスト、ALINE SCHUILING氏

われわれの予想より若干良かったが、全般にはユーロ圏がリセッション局面にあることが確認されたと思う。

予算削減、周辺国の金利上昇、債務の拡大といった悪循環で、危機関連の不透明感は依然として強い。

政策立案者の動きは非常に遅く、ユーロ圏の成長見通しは限定的だ。第3・四半期もマイナス成長となると予想している。

 

インベステックのビクトリア・クラーク氏

予想ほどは悪くなかったが、あまり喜べない。ユーロ圏は依然弱く、今後数カ月・数年にわたる財政再建に対応できるような成長の勢いがないことが示された。

第3四半期については、これまでさほど良くも悪くもない統計がでているが、PMIや鉱工業生産はかなりの停滞を示している。おそらく素晴らしくも悲惨でもない数字になるだろう。

ただ状況は依然として弱く、財政再建はますます困難になっている。

 

BNPのKENNETH WATTRET氏

ユーロ圏経済はかろうじて景気後退を免れているが、一時的なものだろう。景気モメンタムを示す指標の大半が第3四半期に再度縮小することを示唆している。

9月前半には非常に弱い投資動向や景況感を示す指標が出てくるとみている。

ドイツのモメンタム指標は軟化している。ユーロ圏が一層の縮小を回避するのは徐々に困難になるだろう。今年下半期に入り、ドイツ経済の成長は厳しいようにみえる。