「最後の1分1秒まで徹底的にやる」と安住財務相

安住淳財務相は25日、閣議後の会見で、円高傾向にある為替動向に関連し、財務相の引き継ぎ期間に空白が生じるという投機筋の見方は大いなる誤解だと述べ、「最後の1分1秒までやるときは徹底的にやる」と市場をけん制した。さらに、「この1週間も今までと変わらず断固たる措置を含めやる。隙があると思わないほうがいい」と語った。
24日内定した民主党役員人事で、安住財務相は幹事長代行に内定した。内閣改造は野田佳彦首相が国連総会から帰国後の10月1日以降と見込まれており、安住財務相は投機的な動きに対して「(事務)引き継ぎの期間は空白が生じるという見方は大いなる誤解だ」と牽制した。

日銀の金融緩和強化にもかかわらず、円が再び77円台後半まで円高方向に戻している状況に関しても「短期的変動はあるが、中長期的に見たときに、日銀の対応はしっかり効いてくる。時宜をえた対応だった。ただ、短期的には投機的な面が出てくる可能性がある」と警戒し、「最後の1分1秒までやるときは徹底的にやる」と市場をけん制した。
48年ぶりに東京で開催されるIMF・世銀総会を間近に控えた財務相の交代は驚きをもってみられている。人事については安住財務相は「総理の判断で、政府・与党の全体のバランスのなかで人事はやるものだと思っている」と受け止め、事務引き継ぎに関しては「G7開催とかいろいろな噂が出ているが、最終的な日程が確定しているわけではない。10月1日までの間に、日程的なものはきちんと詰め、内容も誰が後任できても、ホスト国としての役割を十分果たせる万全の準備をして引き継ぎたい」と述べ、「懸念は当たらない」と繰り返した。

一方で、今後、与野党の調整にあたることになる特例公債法の扱いではあらためて「特例公債法はいかなる政権でも、通さなければ、日本の政府の存続にかかわる問題だ。与野党ともにその認識あると思うので、しっかりお願いして、国会で成立を図りたい」と決意を語った。